「一生懸命は楽しいぞ」

ちはやふる(10) (BE LOVE KC)

ちはやふる(10) (BE LOVE KC)

待ちに待ったちはやふる新刊です!!


9巻で千早達も2年生になり、新入部員を迎えたわけですが、今回の10巻では新入部員を交えての東京都予選がはじまります。その一方で遠く福井にいる新も何かを決心しているようで・・・

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新と太一が表紙ですが、内容は特に太一にスポットが当てられています。
ちはやふる」のキャラクターはその多くが本当に一生懸命で、「一生懸命ってかっこいいなあ」と思わせてくれる素敵な子ばかりなのだけど、同様に、「一生懸命がんばるってつらいよなあ」と改めて思い知らされます。頑張れば頑張るほど自身の中に積み上げてきたものの重さに取りつかれて身軽でいられなくなる。つまずいてしまったときの悔しさやカッコ悪さばかり想像してしまって前に進めなくなる。結局は自身の努力を信じて自分に暗示をかけて乗り越えるしかないのだけど、それって本当に難しいんですよね。読んでいるこちらとしては太一の中の葛藤も努力もわかっているので、応援せずにはいられません。かるたを続けている限り、太一はこの「才能」という言葉に何度もぶつかって何度もその眩しさに目を細めるときがあるだろうと思うのですが、それでも、仲間と自分を信じて進んでいってほしいなあと思います。

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回が進むごとにどんどん少年漫画のようなアツい展開になっていきますね。毎回一生懸命な高校生や大人げない大人たち(褒めてます!)の頑張りに励まされるような気がします。次巻も楽しみ!!