まったくどうしてままならない

flat(3) (BLADE COMICS)

flat(3) (BLADE COMICS)

表紙の2人の関係性が少しずつ近くなってる!というか平介が少しずつあっくんに対して能動的になってる!



今回もあっくんの忍耐っぷりは健在です。いそがしい平介になかなかキャラメルを渡せなくてしょんぼり。学園祭で迷子になってしょんぼり。お母さんへのお花をダメにしてしまってしょんぼり、とたくさんしょんぼりしております。新しく超生真面目高校生の海藤くんも登場します。


*****

今までは平介のあっくんに対するあまりの配慮のなさ、というか対子供スキルの低さ、にばかり目がいってしまっていたけど、今回のお話でまた少し見方が変わった気がします。「人の好意は重い」という平介の気持ちも、「持ってる人にはわからない」という海藤くんの気持ちもどちらもすごくわかるよなーと。
あっくんはまだ子供だからじぶんの200%の好意が相手に対して与える重さも、じぶんがしょんぼりすることで周りがどれだけ一緒にしょんぼりしてしまうかもわからない。わからなくて当然です。そういうことって誰が教えてくれるわけでもなく自然と身につくことで、大人にはない部分ですよね。そのなかでもとりわけあっくんはまじめで一途だからその200%を一身に受ける平介の気持ちもわからんでもないなぁというか。
一方で、好きな人を喜ばせたい、一緒に楽しいことがしたい、というあっくんの思いも真理で、そういった部分が平介に著しく欠けてる、ってのもまた事実かなぁと(笑)

まじめすぎることは自分にとっても相手にとってもどこかしんどくて、でもそういう性格なのだからしょうがない、のかというとそうではない。そういったまじめな部分も誰かと一緒に過ごすことで折り合いをつけて自分の形がかわっていく。いろんな方法を知る。海藤くんはそこに折り合いをつけられずに16年きてしまったけど、あっくんは平介に背中を押してもらうことでその葛藤を乗り越えていけるんじゃないかな〜と。そんなラストに少し感動してしまいました。