瀬をはやみ

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)

末次先生の絵柄というのがわたしの思う少女漫画ど真ん中!という感じの絵柄なので、なんとなく読むのをためらっていたのですがあまりに各所で絶賛されているので我慢できなくなりました。今現在4巻まで読みました。明日にでも7巻まで揃えたい!



自分にとっての夢というものがなかった千早が新に出会いカルタを始めて、自分自身の夢を持つようになる。クラスメイトの太一も加わってチームとなった3人はカルタの楽しさにのめりこんでゆくのですが、小学校卒業とともに離れ離れになってしまいます。そして3人が高校生になったとき、再びお話は動き出し、千早も夢に向かって加速していきます。カルタはスポーツだ!というセリフにとても説得力がある勢いのあるお話。マイナーであるはずの題材なのだけど、プレイしている人々の魅力で読者を惹きつける作品で、ジャンプ読みとしてはやはり「ヒカルの碁」を連想します。


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少し前までの、少女漫画の読み方を忘れていたわたしだったら、この漫画における恋愛要素にここまでときめかなかっただろうなぁと思います。実際、恋愛の要素を抜きにして瑞沢高校がチームとして勝ち上がっていくお話であっても一定レベル以上の面白さはあると思うのです。

↑ここまで書いて下書き保存したままにしてる間に6巻まで読み進めました。
6巻の内容が今までで一番滾りました!この味方同士で戦わなきゃいけない場面っていうのが本当に大好きなんです!少年漫画なんかでも同じ学校内でレギュラー決めるために戦う場面とか仲間だけど喧嘩したりなんだりで戦ったりってあるじゃないですか。お互い手のうちを知ってるからこそ、どれだけ頑張ってるかを知ってるからこそ、気心知れた相手だからこそ、戦ってる彼らにとっても読み手にとってもその時間が濃密でどちらが勝ったとしても得るものが大きい。(ちなみにわたしはワンピースのルフィとウソップが戦うシーンというのがワンピースで5本の指に入るくらい好きです。超余談すみません)
そう、で、恋愛要素がなくても面白いだろうと思うのはやっぱり読み進めても変わらないしそういう少年漫画的な面白さがこの作品の魅力だと思うんですけど、それでも恋愛要素はやっぱり必要だよ!と思うのは、恋しいと思う気持ちがどんどん強さに変わっていくのだということをすごく感じさせてくれるストーリーだからです。千早の新に対する気持ちはいろんな「好き」が混ざり合っていてひとくちに「恋」だと言えるものではない。憧れもあれば恩もあれば友情もある。そんな風に言葉で表すのは複雑だけど、ふいに名前が口をついたり、目の前の人物に残像が重なったり、千早のうちのどれだけの部分を新が占めているのだろうと考えると気持ちに名前を付けるのは陳腐だなとすら思う。どれだけの強い思いがそこにあるのか。こんな関係を表せるのはやっぱり恋する気持ちを大事に描く少女漫画だからこそだと思うのだよなぁ。
ってここまで書いておいてわたしはぜひとも太一にがんばってほしい。もうなんていうか太一はヒロインだと思う。黒髪属性方言属性なので新にときめかざるをえないわたしですが、太一はほんとうにしあわせになってほしい。といいつつ新の袴姿が見たくてたまりません。今年も煩悩はとどまりません。