ずっと君に憧れてた。
- 作者: 雲田はるこ
- 出版社/メーカー: ソフトライン 東京漫画社
- 発売日: 2009/04/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 5人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
表紙見ただけだとわかりにくいんですけど、ボーイズラブです。
短編集で7つのお話が入っています。わたしはすごく短編集というものが好きでよく買っているんですが、今年買った中でもベストオブ短編集だと思います。
絵のタッチが軽やかですごくかわいらしいです!イラストで表された目次もカバーを撮った表裏表紙もどちらも芸が細かくて素敵!
ボーイズラブにも食指を伸ばすようになって素敵な作家さんに出会うとついついボーイズラブに限らずもっといろんなジャンルのお話を描いてほしい!と思ってしまいます。
わたしはいわゆる「作家買い」というのをするタイプなのですが、それというのもその作家さんの「感情の表現」というものを好きになってしまうからなのです。ですので、その形が少女漫画だろうとボーイズラブだろうと家族愛だろうとすごく楽しめるんです。むしろもっといろんな形の恋愛や感情を描いてほしい!と思ってしまうのです。雲田さんもそんな作家さんのうちのお一人です。
*****
ネタばれになってしまうのですが、わたしは表題作の「窓辺の君」がとても好きです。しゃべったこともない相手に自分の理想像を押し付けてそれが現実とまったく違って裏切られた気持ちになって苦しんでいる先生(主人公:表紙右の白衣で眼鏡の方)はある意味勝手なのだけど、何年も何年も募らせてきたその想いの大きさを思うとやっぱり切なくなってしまいます。そしてそんな悲しみで苦しんでぐちゃぐちゃになって泣いてしまっても、好きな人の美しい姿に、ずっと育ててきた自分の気持ちそのものである薔薇にキスをするその姿に、好きな気持ちがあふれて涙をこぼしてしまう。この瞬間、感情があふれる瞬間、というのがわたしは無条件にときめいてしまうポイントなんですが、このときの先生の表情にわたしの方まで泣きそうになってしまうんです。本当に「胸がいっぱい」な顔をしていていいんだ、すごく。
ほかのお話もかわいかったり切なかったりで楽しい短編集でした。次回作が楽しみだなぁ!