Wild Rose
- 作者: 雲田はるこ
- 出版社/メーカー: ソフトライン 東京漫画社
- 発売日: 2010/06/20
- メディア: コミック
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内容はボーイズ ラブなのでお気をつけください。
「野ばら」という表題作の前中後篇3本(+おまけ1本)、「ミミくんシリーズ」が2本、「Lullaby of Birdland」という短編が1本の計7本が収録されているボリュームたっぷりな1冊です。表題作の「野ばら」は亡くなった両親を継いで下町の洋食屋さんをしている武さんと、そこで働く神田さんという幼い子持ちでゲイなおじさんのお話です。ある日、武さんの洋食屋さんに神田さんの別れて暮らしている奥さんがやって来ます。彼女の話から神田さんがゲイであるということを武さんが知ってしまい、そこから2人の恋が始まります。(でも神田さんはきっとずっと以前から武さんが好きだったんだろうなあ)
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ゲイでありながら自分を偽って奥さんと結婚した神田さんは、カミングアウトしたことで奥さんの人生をだいなしにしてしまった、と悔やんでいて、なかなか武さんの気持ちを受け取ることができません。後先を深く考えずに「好きになっちゃったんだからしょうがない!」と体当たりでぶつかってくる武さんのまっすぐさがわたしはとても好きですが、だからこそ、そんな彼に「抑圧される生活なんて似合わない」と言ってしまう神田さんの気持ちもわかります。幸せになってほしいからつらく当たるのだけど、最後の最後で気持ちがあふれてしまった神田さんの弱さも、そんな弱さも包み込む武さんの優しさも、どちらもとても愛しく思えるラストになっていると思います。
個人的に、武さんがとっても好みです。コックコートが似合うガタイのいいお兄ちゃんな見た目だけでなく、子供が好きなところや料理が上手なところや自分の気持ちに正直なところがとっても魅力的です!(神田さんも好きだけどネ!)
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「ミミくんシリーズ」
- ミミくんはすごいなあ。恋に生きる人なんだな。
- わたし・・・リパなカップルが大好きなんです・・・・
- 女の子らしいものを身につけることを受け入れられるようになった薫くんも、好きだからこそ「抱いてほしい」と言えるようになったミミくんも、1年で成長したんだね・・・!BLっていいね・・・!
- ミミくんはどんな格好でもかわいいです(結論)
「Lullaby of Birdland」
- この単行本の中でいちばんシリアスなお話です。
- バードくんという外国人の青年が登場するのですが、すごくかわいい!背が高くて髭も生えてて、言葉も生意気なんだけどかわいい!
- 雲田さんのびーえるは受けとか攻めとかにこだわらないお話が多いきがします。
- 3つのシリーズでそれぞれベッドシーンがあるのだけど、わたしはこのお話のシーンがいちばん好きです。
- モノローグでも「友人同士のじゃれあいの延長のような行為」と書かれているのですが、描写が(いい意味で)ロマンチックじゃなくて好きです。(羽のタトゥーはろまんちっくだけども)
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前回の「窓辺の君」がたいそう好みだったので待ちわびていた2冊目の単行本ですが、ほんとうに大満足です!カバー裏のおまけや手書きのもくじ、巻末漫画までなめるように何度も読み返しています。次が出るのはまだまだ先だろうし(BLじゃないかもしれないし)さみしいですが、まだまだしばらくはこの1冊を楽しめそうです。